「イベントは新しい時代を創造する」
私は愛・地球博の経験を通じてこのことを痛感しました。
イベントには、感動、驚き、喜び、発見、気付き、楽しみなどを提供することで、人々の意識に変革をもたらし、人々に行動を促し、新たな社会システムの導入を容易にし、新たな時代を切り拓き、創造する力があると思います。
私たちは、新しい技術であっても人々が受容する適切な社会システムが無いために開花しなかった事例をいくつも経験して来ました。また「見る」スポーツ・芸術・文化、「する」スポーツ・芸術・文化と言いますが、私は「参加する」スポーツ・芸術・文化という概念もあり、これによって見るものとするものが一体化し、人々に絆が生まれると考えています。イベントにはこのように「技術」と「社会システム」、「見る」と「する」を統合する大いなる機能があることも疑いありません。
イベントは、思想家、研究者、実務者、技術者、表現者など、多様な人材によって具現化されます。こうした人材の知見の集積、交流、統合があってこそ、イベントの本質的な価値が人々に受け入れられ、人々の意識を変革し、行動を促し、新たな時代を創造する具体的な提案が可能となると思います。
初代会長の木村尚三郎先生が本学会をINSTITUTE OF EVENTOLOGY と名付けられたのは、正にこのような思いからと拝察します。
今、新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、人々や社会に大きな変容を迫っています。私たちイベント学会は、こうした状況を踏まえつつ、これまで以上に具体的な提案に取り組みます。
また、イベント学会は、2025大阪関西万博のTEAM EXPOプロジェクトに共創パートナーとして参画し、関西・歴史文化首都フォーラム、いのちをつなぐ水と流域・地球市民対話、世界自然遺産(屋久島、白神、知床、小笠原、奄美沖縄)に見る自然と社会の共生と未来に残すべき人類の遺産の3つのプロジェクトを創成することとしています。こうした活動を通じ新しい時代を創造するという大きな役割の第一歩を踏み出していきます。
2022年7月
イベント学会 会長
中村利雄
中村 利雄(なかむら としお)
昭和21年名古屋市生まれ、名古屋大学法学部法律学科卒
昭和45年 4月 | 通商産業省入省 |
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平成12年 6月 | 中小企業庁長官 |
平成14年 9月 | 財団法人2005年 日本国際博覧会協会「愛・地球博」副事務総長 |
平成15年 10月 | 同上 事務総長 |
平成19年 11月 | 日本商工会議所・東京商工会議所 専務理事 |
平成27年 12月 | 日本商工会議所・東京商工会議所 顧問 |
平成28年 3月 | 公益財団法人全国中小企業振興機関協会 会長 (平成30年10月 法人名変更) |
令和元年 6月 | イベント学会第3代会長に就任 |
多くのイベント活動やボランティア活動及び社会貢献活動に係る団体等の事業に参画している。