学会員による研究発表(口頭発表)の時間割が確定しました

第23回研究大会2日目(11月8日)に実施する「学会員による研究発表」について、以下のとおり時間割を決定いたしました。

発表はzoomにて実施します。研究大会への参加登録をされた皆様には、別途、zoomのアドレスをメールでお知らせします。

■発表時間割

ルーム1 座長:野川春夫 ルーム2 座長:上代圭子
10:00~ 開会挨拶:福井昌平
10:05~ オリエンテーション:守屋慎一郎
10:15~ 師岡文男
『世界レジャー会議2026大会』の
日本招致プロジェクトの意義
田村匡
地域内GDPに注目した都市経営についての研究
10:35~ 小松史郎
ウィズ&ポスト・コロナ時代における
スタジアム・アリーナイベントの展望
杉本洋文
木造都市を目指す!!
10:55~ 長谷川洋一
東北復興宇宙ミッション2021
吉原さちえ
海外研修航海の継承~恒常性と独創性に着眼して~
11:15~ 浜田真悟
東京オリンピック2020に失望することなく
ポリグロットで若者の祭典、老若男女の交流を
川井徳子
人類史・神話から振り返る未来
~コロナ禍が人類に与えるメッセージ
11:35~ 終了挨拶:福井昌平

■発表要旨

【ルーム1 10:15~ 座長:野川春夫】

『世界レジャー会議2026大会』の日本招致プロジェクトの意義
師岡文男/イベント学会理事 上智大学名誉教授
(共同研究者)福井昌平

イベント学会『東北復興博覧会研究会』で検討したレジャーやレクリエーションに関する国際的MICE事業開催の代表として、研究を重ねてきた『世界レジャー会議2026大会』の日本招致の意義と招致の可能性について、世界レジャー会議が発表した最新の『2026大会招致要綱』から読み解く。


【ルーム1 10:35~ 座長:野川春夫】

ウィズ&ポスト・コロナ時代におけるスタジアム・アリーナイベントの展望 (論文PDFはこちら
小松史郎/集客都市研究所
(共同研究者)岩崎博/SCプラニング・オフィス

2020年初めに突然始まった新型コロナウィルス感染症の拡大は、オリンピックをはじめとするスポーツイベントやエンターティメントイベントの延期や中止などの危機的状況をもたらした。この状況はイベント業界のみならず社会的にも深刻な影響を及ぼしているばかりではなく、大型イベントの存在価値そのものが問われる事態まで及んでいると考えざるをえない。
これに対して大型イベントの開催の場であるスタジアム・アリーナにおいては、社会的要請を受けて三密を避けソーシャルディススタンスを確保するためのような様々な対応を講じてきたが、今なお厳しい経営状況が続いており、かつ将来に対する確かな展望が抱けない状況にある。
本研究は、最初にコロナ感染症の拡大期であるウィズ・コロナ期における最近のスポーツおよびエンタメ業界の最新状況を見た上で、ワクチンや治療薬等が普及し一定の落ち着きを見せるポスト・コロナ期においてスタジアム・アリーナイベントがどうなっていくのかを、今回のコロナ禍を機に目覚ましい発展を見せているDX技術を活用したデジタルイベントの動向も踏まえて展望するとともに、大型イベントの存在価値そのものを再確認することを目指すものある。


【ルーム1 10:55~ 座長:野川春夫

東北復興宇宙ミッション2021 論文PDFはこちら
長谷川洋一/一般財団法人ワンアース
(共同研究者)福井昌平

東日本大震災から10年を迎える2021年3月11日に、国際宇宙ステーションから世界に向けて、これまでの復興支援への感謝のメッセージを発信する準備が進んでいる。この宇宙ミッションの舞台裏と、心の復興、広域交流・地域産業創成等、次代へ繋がる波及効果を報告する。


【ルーム1 11:15~ 座長:野川春夫

東京オリンピック2020に失望することなく
ポリグロットで若者の祭典、老若男女の交流を
 (論文PDFはこちら
浜田真悟/シナリオ25

東京オリンピック2020に失望することなくポリグロットで若者の祭典、老若男女の交流を。ポリグロット活動がイベントロジーにおけるビフォー・アフターとなるるという提案です。


【ルーム2 10:15~ 座長:上代圭子】

地域内GDPに注目した都市経営についての研究 (論文PDFはこちら
田村匡/大阪成蹊大学

イベントや観光等の政策効果は地域におけるGDPや生産額の増加を主とした経済(波及)効果により測定される。RESAS等の地域統計を活用した都市経営手法等についての研究を紹介する。


【ルーム2 10:35~ 座長:上代圭子】

木造都市を目指す! (論文PDFはこちら
杉本洋文/元東海大学教授、(株)計画・環境建築代表、NPOアーバンデザイン研究体理事長

■木造都市の記憶
日本の都市は非木造建築で埋め尽くさレている。しかし、戦前までの都市は木造建築によって構成された風景が広がり、戦前までは木造都市であった。歴史都市にはその記憶が残されている。
日本は地震・台風などの自然災害、火災や戦災などの人的災害も多発している。木造都市の更新は地域の自然資源を活用し、何度となく繰り返されてきた。
産業革命を機に、建築素材が木材から鉄とコンクリートに代わり、都市の非木造化が進むことになった。特に関東大震災と戦災によって都市の不燃化は政策的に推進された。

■都市の均質化と身体性の喪失
近代都市計画は、安心・安全、健康な環境、機能性、効率性などの経済合理性が求められ、都市建築は工業化やシステム化が進み、さらにアルミやプラスチックなどが加わりることによって人工のフェイク素材で埋め尽くされた。都市建築は無機質化や表層化が進み、都市空間は均質化が進み個性を失ってしまった。

■個の最適化からの全体最適
都市は、身近な都市空間から都市全体に対して、人間と建築、建築と都市、都市と環境の関係において、身体性をともなう環境づくりが求められ、予定調和でなく、毎日がクリエーションに溢れ、新たな発見が連続的に発生するようなワークスタイルやライフスタイルを実現する、人間が豊かで快適に暮らせる都市づくりが求められる。

■木造都市へ
地球環境時代では「木造都市」がふさわしく、そのためには「都市木造」を増やし、「木づかい」による新しいまちづくりのムーブメントを起こし、都市施設の木造プロジェクトによって、オールジャパンとグローバルな視点から、木造都市としての持続可能な「まちづくりデザイン戦略」を構築する必要がある。
最新の国内外の事例を紹介しながら「都市木造」のムーブメントを紹介する。


【ルーム2 10:55~ 座長:上代圭子】

海外研修航海の継承~恒常性と独創性に着眼して~ (論文PDFはこちら
吉原さちえ/東海大学

東海大学は国内で唯一調査船であり国際航海旅客船でもある「望星丸」という海洋調査研修船を所有する。「望星丸」は調査研究の実践と未来に拓けた教育を提供し、その一つに海外研修航海という実践教育の場がある。本研修航海は1968年3月に第1回航海を実施して以来2019年2月に節目の第50回を迎え、2019年度(2020年2月実施予定、COVID-19の影響で中止)の実習は半世紀の歴史を踏まえ新たな一歩を踏み出す51回目としての役目があった。過去においては1996年に世界一周航海を成し遂げ、この研修航海を通して訪問した地は70か所に上る。これまで参加した研修学生は4034名、団役員(教職員)は683名である。この航海の特徴は、東海大学傘下の大学・短期大学生が学部学科の枠を越えて、船という限られた生活環境に集い、大自然の中で多くのことを学び、各寄港地では現地大学等と国際交流を図り、国際的視野を広げるユニークな実践教育の場である。しかしコロナ禍において2019年度に引き続き、2020年度の海外研修航海は中止が決定され、2021年度以降の研修航海の実施は不確定の状況である。本研修は研修学生と団役員の経験者が実習そのものの「継承」の中心を担ってきたと言っても過言ではない。この2年間またはそれ以上のブランク後、海外研修航海を継承していくために何が必要かを「恒常性」と「独自性」をキーワードを手掛かりに本研究では検討・検証する。


【ルーム2 11:15~ 座長:上代圭子】

人類史・神話から振り返る未来 ~コロナ禍が人類に与えるメッセージ (論文PDFはこちら
川井徳子/ノブレスグループ

コロナ禍によって人類は新しい生活様式、行動の変容に迫られている。
感染した患者やウイルスと戦う医療関係者だけでなく、生活様式の変化は社会全体におよんでいる。
産業界にも多大な影響が出て、大恐慌以来の経済収縮が起き、中でもイベントや観光といった都市のサービス産業は甚大な被害を受けている。

IMFも世界銀行も各国政府に経済危機に対応するため、財政出動を積極的に行うよう警鐘をならしており、感染防止と経済縮小のバランスを取ること、失われた需要をどのように回復するかといったことが世界的に大きなテーマとなりつつある。

コロナ以前から人類は地球温暖化防止などSDGsを軸に協調し、行動変化を促してきたが、今後、それが加速する可能性は高い。
世界最大のイベントである万博を五年後に迎える大阪・関西は、こういった課題に対して解決のモデルを世界に提示する機会でもある。
本研究は、Afterコロナにおける持続維持可能性の社会モデルについて「人類史から謙虚に学ぶ」ための一つの試論としたい。